原作‗工藤かずや、作画‗浦沢直樹「パイナップルARMY」

パイナップルarmy 1 (ビッグコミックス)

 






すごい昔に読んでいたものの、完全に忘れていたので再読しました。

元凄腕の傭兵、今は戦い方のインストラクターをやっている豪士を中心とした殆ど1話完結もの。
1話1話がとても綺麗な読み切りになっており、最後の盛り上がり部分以外はどこを切り出して読んでも楽しめる逸品になっています。

基本は人情ものとハードボイルドのテンプレート。そこに世界の戦争、傭兵的なミリタリーが詰まっている感じです。

以下、ネタバレ注意



上記にある2巻に収録されている、「五人の軍隊」は豪士の昔の傭兵仲間が終結して物語を解決に向かっていく、ストーリー的にもキャラクター的にも開く方向に向かった話です。
この話をベストストーリーと押す人が多い理由もわかります。

基本単発読み切りの中でも、かなり異色を放っています。
ひょっとしたら人気が出なかった可能性の打ち切り用に考えられていた最終話だったのかもしれません。

話はこの後も淡々と豪士の過去や、昔の仲間との話を織り交ぜながら進んでいき、最後の盛り上がりに向かっていきます。

が、どうも最後の話が「あれ、これで終わっちゃうの?」っていう感じでスルッと終わってしまった印象です。もちろんつまらないわけではなく、やっぱり面白いのですが、全体の出来がとにかくいいのでスルッと終わっちゃったイメージ。

この漫画が描かれた当時(85年~)というのは、まだ民間軍事会社の概念が出来るか出来ないかくらいの時代。
戦闘インストラクターという立ち位置も含めて、かなり時代を先どった設定の漫画です。

一話完結の切れ味のいい話を楽しみましょう。