漫画メモとか

漫画の感想を書いてみたり。 割と何でも読むので、感想希望なものがあったら教えてください。読めたら読みます。

2017年07月

澤井啓夫著「ほんのり!どんぱっち」

澤井啓夫著「ほんのり!どんぱっち」


ほんのり! どんぱっち (ジャンプコミックス)




はじけまくる、というかハジけることしかなかった、「ボボボーボ・ボーボボ」のパラレルワールド作品。

スピンオフといえばスピンオフなんですが、元系統のハジける感じから、ふんわり系に代わっています。


元々は「ふわり!どんぱっち」の続編だったのですが、それに気が付かずにほんのりの方だけ読んでしまいました。

元系統の方は良くも悪くも勢いでガンガン押すタイプ、絵も荒いというか、味があるというか、まあなんていうか上手い落書きみたいな感じだったのですが、

本作はよくも悪くも普通の画力になっています。いや、ビュティ可愛いんだけど。


ふわり!よりも更に絵柄が今風になっているんですが、首領パッチは変わりなくて安心しました。

作者がいろいろな意味で大人になってしまい、鼻毛とかいうのが恥ずかしい、みたいな感じで次のステージに行ってしまった感のある本作。

恐らくボーボボのファンは、あの

(中学生が勢いで思いついたような設定+雑な絵+可愛いビュティ)×ハジける

みたいなコンボに共感を得ていたと思うので、その世界観がそのまま好きな人は本作を見ない方がいいのかもしれません。


この作品を読んでると、

「あー、作者と一緒に大人になっちゃったねえ」みたいな、遠くに来た感がやってきます。

作中のビュティも、首領パッチと散歩してるし。



以下、ネタバレ注意





本作の最後の方に、ボーボボも登場し、パラレルワールドの世界観がある程度わかります。ここを鬱展開とみる人もいるようです。

確かにそうとも見えますが、私個人としては作者の「置いてきたもの(よくわからない勢い)」と「それれでもやっぱり付いてきたもの(首領パッチ)」の両方の整合性を自分の中で落とすために描いたんじゃないかな、と感じました。

タイトルからして、最初から「ふわり、ほんのり」みたいな文言にすることで置いてくることにしたソレら。

そしてそれでもやっぱり根底にあったキャラクターたちへの思い、みたいなものが滲み出た結果の作品かな、と思いました。




ビタワン(原作) 結うき。(作画)「いきのこれ! 社畜ちゃん」

ビタワン(原作) 結うき。(作画)「いきのこれ! 社畜ちゃん」


いきのこれ! 社畜ちゃん (1) (電撃コミックスNEXT)










IT企業とかシステムエンジニアとかの「あるある」を詰め込んだ社畜の漫画。

元々は原作者のビタワンが漫画にしていたものが話題になり、作画が付き、本とかキャラクター展開に至った、という今風な発展をしています。

よってこれに共感できる社会人が非常に多いともいえます。


主人公の社畜ちゃんはちょっとブラックな企業に勤めているようですが、正直自分の仕事も似たようなものなので、とても親近感が。

先輩さん、後輩ちゃん、同期ちゃんとキャラクター展開していくのですが、社畜ちゃんがどのようにして社畜になったのかもわかる一冊です。


2冊目が出たので、社畜ちゃんは無事に生き残れたのでしょう。



とりあえずこちらで殆どの漫画が読めますので、まずは目を通してみてください。

http://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM16000009010000_68/


なんていうか、あるある過ぎていたたまれなくなります。



正直漫画の感想に関しては以下の2点です。

「こういう会社ファンタジーでもなんでもなく、普通にあるよね」

「こういう可愛い社員はファンタジーだし、おっぱいで癒されるよね」


まあつらい仕事でも、社員がこんなに良いと(先輩さんとか後輩ちゃんも含めて)生き残れますが、ブラック企業が蔓延する社会に風穴を開ける的な漫画・・・になるのかなあ。




いきのこれ! 社畜ちゃん (1) (電撃コミックスNEXT)
結うき。
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2016-05-26



古屋兎丸著「女子高生に殺されたい」

古屋兎丸著「女子高生に殺されたい」


女子高生に殺されたい 1 (BUNCH COMICS)








タイトル自体がパワーワードな漫画ですが、名前負けしないセンセーショナルな漫画でした。

著者は「帝一の国」とか「ライチ☆光クラブ」で名前をよく見る人。

ですが、実はこの人の漫画、本書が初めてでした。


もうちょいヘタウマ系なのかな、と思っていたんですが、普通に高い画力、構成力、キャラクター設定でした。

スタートからフルスロットルの主人公(殺されたい人)東山と、だんだんと広がってくる情報。

そして巻き込まれていく女子高生の真帆。

登場する元カノの五月。


全ての話は東山と真帆に集約するのですが「特殊性癖+犯罪」というテーマを、

情報を小出しにすることでコントロールしています。


登場人物が深いところで繋がっていることが見ていくうちに、話の全容が見えてくる。

続きが気になって一気読みするくらいはまりました。


「オートアサシノフィリア」という他人に殺されることに性的倒錯を感じる主人公。

そして明らかになってく真帆の秘密と五月との過去。


2巻でスパッと終わる秀作です。













斉藤由美著「宇宙の瓶づめと猫と箱庭」

斉藤由美著「宇宙の瓶づめと猫と箱庭」


宇宙の瓶づめと猫と箱庭 (『このマンガがすごい!』大賞シリーズ)









「このマンガがすごい!」大賞と「天才」の煽りがあったのでちょっと期待しすぎました。

上記以外の予備知識がない状態で読んだので、本の読み方もわかっていなかったのですが、基本オムニバス形式。


最初に登場する大賞受賞の「箱」。これはかなり良かったです。

古典SFとライトを掛け合わせたような、「読者に想像させる範疇」と話のスピード感。


たぶん、詩集のような断片的な感じを漫画で表現しようとしているんだと思います。

が、最初の箱以外は「作者が思いついた世界観を見てよ」といった感じが全面に出ている割に「これがあれば創造できるでしょ」という気配が凄くする。

そういう意味で「箱」の物語には近く、世界観は引いて出している雰囲気がほかの作品にもあったらな、と思いました。


自分で書いていて思ったんですが、行間のある詩集のような読み方すれば、また違った読み方ができるんだろうか。

次読むときはそうしてみよう。




中島守男著「先生!!原稿下さい。」

中島守男著「先生!!原稿下さい。」


先生!!原稿下さい。 (KCデラックス)



エロ小説作家の巨匠であるおっさんと、美人ツッコミ型編集者の掛け合いを描いた脱力系漫画。

1話が短いのでサクサク読めます。そしてエロい小説家は本当にどうでもいいエロさを発揮し、編集者の木村さんは程よくスルーします。


この作品に出てくるエロは、いわゆる小学生低学年が盛り上がるような、低俗な感じのエロ。

それが逆にエロさを出さず、滑稽な感じに仕上がっているのが絶妙な落としどころになっています。


どうでもいい環境の、どうでもいい状況に、どうでもいいエロさを見つける。

割とこれって生活を楽しくする術なんじゃないか、とか思ったりします。



とまあ、出来るだけ何か文章考えてみましたが、ただエロい小説家がセクハラまがい(というかセクハラ)を編集者にし続ける、

昭和だったら許されたかもしれない、平成では普通にNGだろうなーっていうやり取りを、適当に楽しむ漫画です。


登場人物の見せ方がちょっと引いた視点になっていて、これが小劇場で劇を見ているような感じにします。