漫画メモとか

漫画の感想を書いてみたり。 割と何でも読むので、感想希望なものがあったら教えてください。読めたら読みます。

2018年01月

小松左京著「果しなき流れの果に」

小松左京著「果しなき流れの果に」

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)










言わずと知れた、小松左京の名作。

緩やかなスタートから、中盤以降の怒濤の展開。そしてなんかもういろいろと超越して、読者に宇宙的な何かを見せる後半。

SF の色々なアイデアを盛り込むも、これらはあくまで舞台装置であり、物語の根幹は人と人の出会い、別れ、そして生き様などに集約していきます。


以下、激しくネタバレ注意

絶対に、本作を読んでからにしてください。

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所
1997-12-01




特定のキャラクターに感情移入しすぎないよう、群像劇の様相を持ちながら、基軸となる話もちゃんとある。

特に佐世子の下りは秀逸で、予想できたものの角度の違うハンマーで殴られたような読後感です。

個々のエピソードは時代と共に流れ行き、それらはその時代を構成するネジの一つとなって心に残る。

そして時間とは何なのか、高次元の頂きにいつの間にかたどり着いています。

読み終わったあとの心地よい疲労感と、何だか遠くまできたな、という後味。

子供の頃、自転車で知らない街まで遠出して、知らないところで夕日を迎えたような感じでした。


果しなき流れの果に (ハルキ文庫)
小松 左京
角川春樹事務所
1997-12-01


クリフォード D.シマック著「都市」

クリフォード D.シマック著「都市」

都市 (ハヤカワ文庫 SF 205)




実はハヤカワSF 好きなのですが、翻訳ものは読むのに体力がいるためなかなか進まないわけです。

そんなことで積んであった本から、古典SF の部類である本作をチョイス。

この話はある一族と犬と都市の話です。
話は複数の章、時代に別れています。


軽いネタバレ。

序文でいきなりネタバレするのですが、この本は犬の世界で発刊した、伝説の動物である人間に関する、言い伝えられた話と、その分析で成り立っています。

以下、ネタバレ。

都市 (ハヤカワ文庫 SF 205)
クリフォード D.シマック
早川書房
1976-09



この本はネタバレ無しで読んだ方が面白いので、まだ読んでない人は見ないでください。


はい、こっからは読んだ人だけですね。
物語はウェブスター家とジェンキンズを中心に様々な出来事を見ていく話です。
代々のウェブスターに感情移入しつつ、人間の生き様を追う。
そして主の理想を追って果てし無い時の番人をするロボットのジェンキンズ。

読み終わるとジェンキンズの悠久の生き様に感情移入しまくります。

人が集まって出来上がる都市。
時代の進化で都市の機能は風化し、そして人間も過ぎ去る。
都市が無くなることで無くなった戦争。

そしてある代のウェブスターの託した思いでジェンキンズが犬に、動物たちを導く。

宇宙、都市、ミュータント、動物たちの世界。SF の様々な要素を使って人間の営みと行く先の末を浮き彫りにする快作です。

都市 (ハヤカワ文庫 SF 205)
クリフォード D.シマック
早川書房
1976-09


原作:天樹征丸、作画:さとうふみや「金田一少年の事件簿 剣持警部の殺人」

原作:天樹征丸、作画:さとうふみや「金田一少年の事件簿 剣持警部の殺人」

金田一少年の事件簿-剣持警部の殺人- 全2巻完結セット(少年マガジンコミックス) [コミック] by 原作:天樹 征丸; 漫画:さとう ふみや [コミック... [コミック] [Jan 01, 2009] [コミック] [Jan 01, 2009]










金田一少年のスピンオフ・・・と思っていたら、本流でした。

作品屈指の名脇役である剣持警部、過去に捕らえた犯罪者と、その被害者を取り巻く話ですが、実は剣持警部はあまり出てきません。

殺人容疑をかけられ、解くのは金田一少年なのでしょうがないのですが。

ミステリーものなのでネタバレはしませんが、展開が割りと読めない、読んでて先の気になる作品でした。

でもやっぱりもう少し剣持警部を活躍させてほしかった。

ちなみに上下巻で、下巻には金田一の中学校時代の事件が2本入っています。

そういえば読んでいるうちにケータイなどの機器がふるいなーと思ってたんですが、2009年の作品でした。読んだことが無い、新しそうな話が8~9年前・・・

金田一とコナンは、いったいいつまで犯人を捕まえ続けるんでしょうか。



K.Kajunsky著「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています」

K.Kajunsky著「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています」

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。



一時期ネットで話題になり、更に初音ミクの歌にもなった、妻が死んだふり、のエッセイ漫画です。

邪魔をしない絵柄で淡々と伝える感じが逆なキャラの立つ雰囲気を作ってます。

奥さんとの馴れ初め、そして昔から割りと奇抜な感じ、その先にある旦那への愛情を感じる作品です。

とにかく楽しそうでなにより。

ちなみに2018年に実写ドラマ化予定。






藤本正二著「終電ちゃん」

藤本正二著「終電ちゃん」

終電ちゃん(1) (モーニングコミックス)










擬人化キャラモノ漫画、基本的に完結型です。
中央線の終電に宿る妖精のような終電ちゃんと、終電に駆け込む客の話。途中から他の路線の終電ちゃんも出てきます。

ゆるキャラものかなー、と気軽な感じで読みはじめてみたら、実はかなりのハードボイルドな内容でした。

終電という日常の中にある、少しだけ非日常。客を家に無事に届けるという使命感。終電ちゃんを取り巻く話は、全く緩くないです。

日々の仕事に疲れ、憂さ晴らしの飲み会でべろんべろんなサラリーマンを、叱咤激励しながら運んでいきます。

ちなみにツンデレ山手線、ほんわか小田急、お嬢様な新幹線など、他の路線の終電ちゃんもいい味出してます。

終電に乗り遅れそうな客。ちょっと厳しくも優しい終電ちゃんたちの物語。正直ここまで面白いっていうのは想像していませんでした。


余談。
気のせいかもしれないんですが、ちょっとした絵柄とか、キャラクターのどこかの雰囲気に、こうの史代っぽさが出てるような。