漫画メモとか

漫画の感想を書いてみたり。 割と何でも読むので、感想希望なものがあったら教えてください。読めたら読みます。

2018年08月

日日日原作、西川彰作画「ささみさん@がんばらない」

日日日原作、西川彰作画「ささみさん@がんばらない」

ささみさん@がんばらない コミック 1-4巻セット (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)









前から気になっていたのですが、コミックがあったのでそちらで読みました。
元はライトノベル。その後アニメ化などもしていたのですが、どれも読んだことが無く、サンデーで漫画を連作していた時に読んでいました。

1~3巻はサンデーでの連載、4巻は別誌。但し出ている話が全部コミカライズされてるわけではないようです。

以下、一応ネタバレ注意




作品は頑張らない引きこもり月詠鎖々美と、その兄や周辺の人とのコメディ部分と、鎖々美が持っている最高神の力を取り巻くファンタジー&日常系な感じ。

異世界転生ものが流行る前に良く存在していた、特殊設定が日常にやってくる系です。調べたら2009年に原作が出ていますが、そらのおとしものが2007年なので大体同時期(この系譜はかなり前からありますが)。

4巻までの展開だと、母親との確執決着がつき、割といいところで完結していますが、続きが気になる状態です。

原作を読んでない状態なので何とも言えないのですが、神臣の取り扱いなどが消化不良(というか使われてない伏線に見える)があるため、原作を読んでから最終的な感想にしたいと思います。

漫画自体はキャラも動いていて読みやすかったです。



クリスタルな洋介著「オニデレ」

クリスタルな洋介著「オニデレ」

オニデレ(1) (少年サンデーコミックス)










不良娘と普通の男の子のギャグ&恋愛漫画。
この手の話としては珍しく、最初っから恋人同士であり、その関係を隠している、というところからスタートしています。

鬼のように強く、そしてデレるので、オニデレ。
最初は不良要素が強かったものの、連載が進むにつれ「そもそも不良ってなんだっけ?」的な方向に。
キャラクターで話を回すのが上手くなると共に、不良要素より各キャラのやりたい放題感が全面にやってきます。

特にミヅキや会長はいい味を出している上、ストーリーのきっかけとしてもうまく機能しています。

中盤からサヤの恋敵が出てくるものの、最初から恋人同士なので三角関係というよりはお邪魔者が出てきただけ。

そこに「不良だから付き合ってるのは隠さないと」というスパイスで話が展開していきます。
そしてこの漫画の陰の功労者であるモモも話に奥行きを持たせ(奥行き自体は微妙だったものの)、キャラクターを中心とした世界観の構築が成功しています。



いつもの感想より偉い長い理由は、この漫画が好きだから、としか言いようがないのですが。
このテンプレートパターンはちょっと変則的にその後のサンデー系漫画にちょいちょい引き継がれている気がします。

ミヅキのトリックスター感を移植した次の作品である「ひめはじけ」もいいスピード感のギャグ漫画だったのですが、この作品のかなめである、イーモトにあたるキャラが居ないため(ツッコミは居たが)、全体バランスとして投げっぱなし感になっていました。

各キャラクターの立ち位置が漫画的にも凄く綺麗に組みあがっているオニデレ。かなり好きな漫画の1つです。



田口ケンジ著「汚物は消毒です」

田口ケンジ著「汚物は消毒です」

汚物は消毒です (5) (サンデーうぇぶりSSC)









姉ログの作者の、また姉もの作品。今度は義姉ですが。

前の妄想姉の距離的とキャラクターで回す展開から進化して、ベースに掃除ネタを持ってきつつの会話回しになっています。

しかも主人公の両親たちは死別、離婚しているため、家族群像ものとしても成り立っています。恋愛要素もしっかり持ちつつ、家族の在り方、人との付き合い方みたいな人間模様の話と、掃除ネタが別レイヤーで存在しており、これらが上手いタイミングで読み手にテンポを与えています。

ちなみにサンデーうぇぶりでましろ姉のコスプレ掃除実現企画があるので、そちらも必見です。

姉ログのころから格段に画力や構図力もあがり、キャラクター回しも更に上手くなってる。次回作も期待です。




楳図かずお著「漂流教室」

楳図かずお著「漂流教室」

[まとめ買い] 漂流教室〔文庫版〕(小学館文庫)




世界異変系の金字塔、顔の表情だけでもいまだにネタにになる名作、漂流教室。
凄い前に読んだのですが、端々を忘れいていたため、再読しました。

ってことで感想なんですが・・・
なんていうか、スタートから最後まで、気の抜くところの殆どない、パニック漫画です。
ただその中で主人公の小学生たちが自分で考えたり、希望を持ったり挫折したり、成長記のような側面もあります。

今となっては世界異変物はジャンルとして確立していますが、この作品が発表された1972年では
SF小説以外は目新しかったかもしれません(当時を知らないので憶測ですが)。

日本沈没が1973年(但し着手は64年から)。
戦国自衛隊が1975年(元は74年)。

こう見ると、このあたりの時代はこの手の作品の宝庫の時代っぽいです。

以下、ネタバレ注意。



作品は突如砂漠のような異世界に飛ばされた大和小学校の面々が主人公。
特に最初は単なるやんちゃだった高松翔がだんだんと成長していく様と、異世界でのシビアな生活、子供たちのパニックなどが描かれています。
適用できない大人はやがて死んでいき、何とか適用していく子供たちだけとなる。

そして異世界が、変わり果てた地球の未来の姿ということがだんだんわかってくる。
そこに裏切りや公害問題、モンスターや未来の知的生物との戦いなどが加わっていきます。

部分部分はトンデモ設定みたいなところもあるのですが、そういうのを気にする暇もないままガンガンと話が進んでいきます
内容の濃さ、スピード感がとにかくすごい。

一応ホラー漫画に分類されているものの、冒険ものであり、SF、パニックモノであり、様々な要素が入っている作品です。
最後の展開は予想していなかったのですが、パニックモノにありがちな全員死亡みたいなほん投げじゃなかったのが良かったです。
納得感や読後感がとてもあるエンディングでした。

原作:工藤かずや、作画:浦沢直樹「パイナップルARMY」

原作‗工藤かずや、作画‗浦沢直樹「パイナップルARMY」

パイナップルarmy 1 (ビッグコミックス)

 






すごい昔に読んでいたものの、完全に忘れていたので再読しました。

元凄腕の傭兵、今は戦い方のインストラクターをやっている豪士を中心とした殆ど1話完結もの。
1話1話がとても綺麗な読み切りになっており、最後の盛り上がり部分以外はどこを切り出して読んでも楽しめる逸品になっています。

基本は人情ものとハードボイルドのテンプレート。そこに世界の戦争、傭兵的なミリタリーが詰まっている感じです。

以下、ネタバレ注意



上記にある2巻に収録されている、「五人の軍隊」は豪士の昔の傭兵仲間が終結して物語を解決に向かっていく、ストーリー的にもキャラクター的にも開く方向に向かった話です。
この話をベストストーリーと押す人が多い理由もわかります。

基本単発読み切りの中でも、かなり異色を放っています。
ひょっとしたら人気が出なかった可能性の打ち切り用に考えられていた最終話だったのかもしれません。

話はこの後も淡々と豪士の過去や、昔の仲間との話を織り交ぜながら進んでいき、最後の盛り上がりに向かっていきます。

が、どうも最後の話が「あれ、これで終わっちゃうの?」っていう感じでスルッと終わってしまった印象です。もちろんつまらないわけではなく、やっぱり面白いのですが、全体の出来がとにかくいいのでスルッと終わっちゃったイメージ。

この漫画が描かれた当時(85年~)というのは、まだ民間軍事会社の概念が出来るか出来ないかくらいの時代。
戦闘インストラクターという立ち位置も含めて、かなり時代を先どった設定の漫画です。

一話完結の切れ味のいい話を楽しみましょう。