李學仁原作、王欣太作画「蒼天航路」



三国志の漫画は数あるけど、曹操を主人公にしたのはこちらが初めてかも。そして相当魅力的に書かれている作品。

もともと三国志の世界では劉備=主役という形で描かれることが多いため、曹操は敵役として登場しがちだけど(横山光輝は切れ者の相手役ではあったが敵という感じではなかった)。

こちらの作品は相当脚色を入れているものの、割と正史基準になっているので、張奐とか出てくる(そして凄い良いキャラ)。序盤の情報量の多い世界観を描く様は群雄モノとして素晴らしい。

基本的におっさんしかいない世界で書き分けをするのも、そのおっさんが歳をとった状況を書き分けてるのも凄い。

個人的には袁紹の最後あたりまでが超名作。
その後は決めシーンのための作品っぽくなってしまった感じ(もちろんそれでも相当面白いので、パワーダウンしたという印象もないけど)。

劉備も相当曲者として描かれているけど、聖人君子っぽい作品よりこっちの方が地に足がついてるし魅力的。
(孔明が変態だったけど)

話は曹操が亡くなるところで終わるので、三国成立前だけど、とにかく勢いのあって面白い作品。